ミシュランキーで選ぶ特別な体験
2026.10.28
山形座 瀧波の美食と湯
おいしい夕食のあと、すぐに帰るのが惜しくなる夜があります。舌に残る香りを、もう少し追いかけていたい。向かいの人と、あのひと皿について話していたい。
山形県南陽市、赤湯温泉の山形座 瀧波。食事の余韻を楽しむ旅が続きます。部屋には源泉かけ流しの露天風呂。湯に身を預け、先ほど味わった山形の風土を思い返す。美食と温泉を、一泊の時間でゆっくり楽しむ高級旅館です。
ミシュランキーとは?高級旅館選びの手がかり
ミシュランキーとは、ミシュランガイドが特に優れた滞在体験を提供するホテル・旅館に授与する評価です。料理を評価するミシュランの星とは異なり、宿泊体験を対象としています。
評価は、1キーが「特別な滞在」、2キーが「素晴らしい滞在」、3キーが「最上級の滞在」。建築や内装、サービスと快適性、独自性、価格に見合う体験、その土地とのつながりが評価の軸になります。
瀧波は、2025年のホテルセレクションで1ミシュランキーを獲得しました。
高級旅館を選ぶ際には、評価に加え、「どんな料理を味わいたいか」「湯や客室でどう過ごしたいか」を思い描くと、自分に合う一軒が見えてきます。
ひと皿から、置賜の風景が見えてくる
瀧波のレストラン「ukitomam」で大切にしているのは、旬と香りを生かし、素材の持ち味に向き合う料理。置賜で育まれた伝統野菜や米、生産者の仕事が、その土台にあります。
食通を惹きつけるのは、食材の名前を聞いた瞬間だけではないでしょう。口に運ぶ前の香り、噛むうちにほどける甘み、飲み込んだあとに残る滋味。その移ろいを確かめたくなる一皿に、食べる喜びがあります。
野菜を味わうときは、その香りにも意識を向けてみる。米は、ひと口を急がず噛みしめる。料理を彩る酒とともに、味わいの表情を探してみる。いつもより少し丁寧に食べるだけで、食卓の時間は豊かになります。
中川強シェフが料理を担う「ukitomam」は、「Destination Restaurants 2026」に選出いただきました。これはミシュランキーとは別の評価。その土地へ食べに行く楽しみを、瀧波の滞在に重ねてくれます。
料理の向こうに、畑がある。畑の向こうに、人の営みがある。山々に囲まれた置賜盆地の風景が、食事を通して身近になっていく夜です。
全19室に、源泉かけ流しの露天風呂
食事と同じくらい楽しみにしたいのが、赤湯温泉の湯。瀧波では、源泉から全19室へ直接温泉を届けています。
夕食前、移動でこわばった身体をゆっくり伸ばす。翌朝、静けさのなかで湯気を眺める。客室に露天風呂があるからこそ、一泊のなかに自分のためのひとときをお過ごしいただけます。
瀧波が「生まれたての十割源泉」と呼ぶ湯に包まれ、何も決めずに過ごすひととき。旅の予定に余白を残すことも、高級旅館を楽しむ方法のひとつです。
客室の設えにも、山形を感じる
客室は、移築した蔵を生かす「KURA」、自然の景観を望む「SAKURA」、山形生まれの家具や作品に親しむ「YAMAGATA」の3タイプです。
歴史ある建物を生かしながら、シンプルでモダンな空間へと生まれ変わった客室。白を基調としたすっきりとした空間だからこそ、その時々の景色や空間の余白を楽しみながら、心ゆくまで寛ぎの時間をお過ごしいただけます。
日本建築と北欧家具が調和するラウンジにも、腰を落ち着けたくなる温もりがあります。食、湯、設え。それぞれに触れるうち、この土地で過ごす実感が深まっていきます。
赤湯へ、一皿の余韻を味わいに
東京から山形新幹線で赤湯駅へ。駅から瀧波まではタクシーで約5分。予約制の送迎もあり、車を使わない旅にも向いています。
夫婦の記念日にも、食を愛する人との週末にも。夕食と湯を楽しみ、部屋で語らう時間を残しておく。
帰りの車窓に山形の風景が流れるころ、思い出すのは、名前を知ったばかりの野菜の香りかもしれません。